お金を払えば名医になれる?「信頼できる医師」の評判の秘密

医師を比べる

「~の名医」、「~で頼れるドクター」などの記事、雑誌を見ることがあると思いますが、どのように決まっているか考えたことはありますか?

こちらは、医療法人社団悠翔会 理事長、佐々木 淳先生の、11月4日のツイートです。

確かに、そうなんです。結局のところ、広告業者にお金を払ったクリニックが、信頼出来るとか、名医として紹介されていることが多いのですよね。

もうひとつ、訪問利確さんの同様のツイート(2021年)をご紹介します。

目次

広告を載せるのはいけないこと?

お金を払って広告を載せる。その時に自分や会社(この場合はクリニック)を良く書いてもらうのはある意味当然ですし、
どこの企業でもやっていることです。もちろん、これ自体は悪いとは言いません。

ただ、それが広告なのか雑誌記者が名医の評判を聞きつけインタビューしたのか。広告と分かれば良いですが、いかにも口コミのような書き方をしていて、そこら辺りがはっきりしていないのが問題のように思っています。

自分の体験

りぼんクリニックも過去に、この手の広告を載せたことがあります。

雑誌の営業は最初、「評判を聞いて来ました」というような言い方をします。患者さんからの声も集めているようなので、恐らくウソではないのだと思います。

色々話をしているうちに、「是非記事を書かせて下さい」言って来ます。この時点で別に料金のことを隠したり、ごまかしているわけではありません。彼らも、普通の営業をしているだけなのです。

基本的にお金を払っての広告はお願いして来なかったのですが、ブログを読んでいただければお分かりの通り、文章を書くのがど下手な私。

誇りを持ってやって来たこの仕事を、プロに記事にしてもらう。それは魅力的に思え、この時は話を聞いて抵抗感もなかったのでお願いすることにしました。

実際の取材と、その後

当日はインタビュアーとカメラマン、コーディネーターのような役割の方が三人で来ました。関わりを持ってくれたスタッフはみな感じが良かったですし、一生懸命やってくれたと思います。

インタビュアーも当然ですがプロなのでしっかりと話を聞き、的確な質問をはさみ、上手に色々と話したいこと、表現したいことや想いを引き出してくれました。

後日。お金を払っているから当然なのですが、「これで良いですか」と原稿が送られて来ます。「ここをこう変えて下さい」と注文すれば、その通りに変更してもらえます。

ですので、「取材」という形をとりますが、同時に広告の要素も強い、ということですね。

医療と広告

患者さんは当然少しでも良い医者に、評判の医療者に診てもらいたいと願うと思います。

そして医療者が広告を出すことも何も問題とは言えないでしょう。

問題があるとすれば先ほども述べたように、患者さんの中にはこのような雑誌を広告だと思っていない人も多いのではないかということです。恐らく、「名医の評判を受けた取材」かお金を貰った広告かをわざとうやむやに分かりにくくしているように感じます。

一見信頼出来そうな口コミも、実はお金を貰って評判を書き込む業者があります(利用しているところは少ないとは思いますが…)。では、実際にはどうすれば良いのか。

完璧な方法はもちろんありませんが、私はやはりその医師と一緒に仕事をしたことがある人からの紹介が最も信頼出来ると思います。

具体的には地域包括センターや、ケアマネジャー、訪問看護師はある程度、患者さんの住まい、疾患や医師との相性を考えて勧めてくれますので、雑誌の名医よりはずっと信頼出来るのではないでしょうか?

患者の話を聞く医師

まとめ

Twitterでみかけたツイートを見て思ったことを書きました。確かにそのドクターの得意分野、考えや熱意が分かるので全く無駄な情報ではないと思います。ただ、雑誌の「名医」は鵜呑みにせず直接会ったり、医師と一緒に仕事をしている人たちからの情報も参考にされると良いと思います。

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この記事を書いた人

元ホスピス勤務医、総合内科専門医。2013年7月大田区久が原に「小原りぼんクリニック」を開業。緩和ケアと認知症診療、訪問診療をライフワークにしています。介護は、まずは家族を支えなければ始まらないをモットーに、対話を重視する診療を心がけています。

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